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薬剤性便秘症について

うんちわー、日本うんこ学会会長で医師の石井です。

便秘の原因や治療方法にはいくつかあることはこれまでにも述べてきました。
参照:便秘の基礎知識ガチ治療編

実はもう一つの代表的な原因、2次性の便秘と言われるものについて言及をしていなかったので、今回取り上げてみたいと思います。

2次性便秘というものは、何か他の病気を持っていて、その病気の影響で便秘になる場合、もしくはその病気を治すための薬の副作用で便秘になる薬剤性の便秘症があります。
今回は便秘を引き起こす疾患と薬について慢性便秘症診療ガイドラインより抜粋しまとめてみました。

慢性便秘症をきたす基礎疾患

内分泌・代謝疾患 糖尿病、甲状腺機能低下症、慢性腎不全など
神経疾患 脳血管疾患、多発性硬化症、Parkinson病など
膠原病 全身性多発性硬化症(強皮症)、皮膚筋炎
変性疾患 アミロイドーシス
精神疾患 うつ病、心気症
大腸の器質的疾患 大腸癌、痔核、炎症性腸疾患など

(慢性便秘症診療ガイドラインより一部改変)

 

便秘症を起こす可能性のある薬剤 

薬剤種 薬品名 薬理作用
抗コリン薬 アトロピン、スコポラミン

その他抗コリン作用のある薬剤

消化管運動の緊張や蠕動運動・腸液分泌の抑制
向精神科薬 抗うつ薬など 抗コリン作用

四環系より三環系の方が起こりやすい

抗パーキンソン病薬 ドパミン補充薬、ドパミン受容体作動薬、高コリン薬 抗コリン作用
オピオイド モルヒネ、オキシコドンなど 消化酵素の分泌抑制、蠕動運動抑制、セロトニンの遊離促進作用
化学療法 植物アルカロイド(ビンクリスチン・ビンデシン)

タキサン(パクリタキセル)

抹消神経や自律神経障害

癌治療に伴うストレス等も影響

循環器作動薬 カルシウム拮抗薬

抗不整脈薬

血管拡張薬

カルシウムの細胞内流入抑制による腸管平滑筋の弛緩
利尿剤 抗アルドステロン薬

ループ利尿薬

電解質異常に伴う腸管運動の低下、体内の水分排出促進
制酸剤 アルミニウム含有薬 消化管運動抑制
鉄剤 フマル酸鉄 蠕動の抑制
吸着薬 ポリスチレンスルホン酸カルシウムなど 二次的な蠕動運動阻害
制吐剤 グラニセトロン、オンダンセトロンなど 5-HT3拮抗作用
止痢剤 ロペラミドなど 抹消オピオイド受容体刺激作用

(慢性便秘症診療ガイドラインより一部改変)

 

キタサト
実に様々な薬の影響で便秘になるんですね。

 

 

そうだね、薬や病気による便秘症はとても多いんだ。

便秘がちな方で何か上の疾患や薬を飲まれている方は要注意です。
特に有名なものに癌で利用される麻薬製剤や、精神科系の薬が挙げられます。睡眠薬をはじめた時や抗うつ剤を処方された場合等にはよく起こりがちなので、もし思い当たる疾患がある場合には主治医の先生と相談してみてください。その便秘は病気や今飲んでいる薬から来ているかも知れないので、市販薬で開始する前に先生に伝えておきましょう。

 

話者 石井 洋介
日本うんこ学会会長、おうちの診療所目黒・秋葉原内科saveクリニック共同代表医師
消化器外科医→厚生労働省医系技官を経て日本うんこ学会会長へ。
コミュニケーションデザインとデジタルヘルスの力で医療をもっとよくしたいと思ってます。


便秘の治療法<ガチ処方編>

大腸がんの基礎知識

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