うんもれエピソード
■漏らせば漏らすほど■ (32歳 男性)
今からちょうど20年前の話。
当時小学6年生で人生初のモテ期を謳歌していた私は、スポーツ少年団のサマーキャンプに参加しました。総勢100名近くの運動自慢の小学生が、避暑地で寝食を共にするイベントです。
そこには隣町の小学校に通っているスラッと背の高い美雪ちゃんの姿も。当時、私は彼女に淡い恋心を抱いていました。
バスで合宿地に向かう途中に、一行は昼食として焼肉バイキングに立ち寄りました。
辛い物を好んでいた私は、バイキングのキムチの盛り合わせを見て胸が高鳴りました。私の母は昔から辛い物を私に食べさせてはくれませんでした。その反動もあってか、私はバイキングでキムチの盛り合わせをサラダのように食べ漁りました。この行動が後の惨事につながるとは思いもよらずに。
一行は合宿地に到着し、そのまま合宿の開会式が始まりました。
当時スポーツ少年団のキャプテンを務めていた私は、開会式での選手宣誓を任されていました。美雪ちゃんの前で良い格好するため、選手宣誓の準備は万全です。
開会式が進行する中、私は誰にも知られず一人悶絶していました。
腹が痛い、
とにかく痛いのです。
まるで腸を絞り込まれるような感覚。
しかし人一倍プライドの高かった私は一人その痛みに耐え、決して顔には出しませんでした。それでも痛い。絶えられない。そんな中私の選手宣誓の出番は無慈悲に近づいてきます。
ついに、堪らず放屁。
かなりジューシーな響き。その強烈な音は、開会式の施設館長の話に一瞬の沈黙を生みました。
一呼吸おいた直後、少年団員は大盛り上がり。そして、犯人探し。私は容疑者の1人として挙げられましたが、頑なに否認しました。
そして、2度目の放屁。
これにより私は容疑者から犯人へ。
普段から私に対して一目置いていた少年団員達は、「こいつ、くせーぞ!(笑)」という素敵な言葉を投げかけてくれました。私の視野の端に写る美雪ちゃんは顔を赤らめながら素知らぬふりをしようとしています。その彼女の姿は今でも胸の奥に刻まれています。
そんな動乱の中、ついに私の選手宣誓の出番が来ました。
「こんなに腹と心にダメージを負いながら選手宣誓なんてできるのか」と一瞬腰が引けました。
トイレに行かせてもらおうか悩みました。
しかし、小学生の日本男児にとって排便は恥です。
決して美雪ちゃんの前で醜態は晒せぬ、その一心で私は選手宣誓に臨みました。鬼の形相で立ち上がり、肛門括約筋に気合を入れ、壇上に上がり、「宣誓。我々選手一同は、」という用意した文言を叫びました。
鬼気迫る私。
その選手宣誓にただならぬものを感じる施設館長。
ニヤニヤする少年団員。
私のパンツの中には、確かな汁気を感じます。冷や汗なのか下痢なのか、知る術はありません。そんな逆境の中、私は選手宣誓をなんとかやり終えました。一礼をして振り向き壇上から降りたその時、気持ちの緩みと段差を降りた衝撃で肛門括約筋が弛緩。
放屁とともに、出ました。
これはもはや疑いようもありません。下痢です。
私は青ざめ、少年団員一同は爆笑。そのまま私はフラフラと臭気を纏いながら自分の席に着きました。
会は進行し、私は後ろ指を差され続け嘲笑の的となりながら、開会式が終わりました。
私は隙をみて抜け出し遠くのトイレに行き、パンツの中身を見ました。見るも無残な現状を目の当たりにし、様々な感情が堰を切り大泣きしました。
ひとしきり泣いたあと下半身を綺麗にしながら、私は今後のことを考えました。
「どう振舞えばいいんだろう?」
「果たして、みんなは漏らした事を知っているのか?」
「確かにみんなの前で放屁した事実は否定することができないが、もしかした漏らした事実はばれていないではないか?」
熟考の末、私は決断しました。
漏らした事実は何としてでも隠し通す。
そのためには、あえて「屁こきキャラ」を全面的に受け入れ笑いを取ろう。それによって、漏らした事への追求を揉み消そう。この作戦は功を奏し、私はめでたく「ただの屁こき野郎」としてのアイデンティティを確立しました。
ただ、もう美雪ちゃんを直視する事は出来ませんでした。
それから20年、私は人生で2度ほど他人が漏らす場面に居合わせたことがあります。
その時に、あの選手宣誓の思い出が懐かしさとともに蘇ってくるのです。
そして、漏らした人生の先輩としてシンパシーを感じながら、心の中でこう言葉をかけてあげるのです。
「漏らした事があるというのが、いつかきっと大きな財産になるよ。」
漏らせば漏らすほど、人は優しくなれるのかもしれません。
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